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2020/08/21

 

相続手続にあると助かる「法定相続情報一覧図」

 

こんにちは。

行政書士の池田です。

 

先日、昨年亡くなった叔父の相続手続をお手伝いさせてもらったのですが、その時、叔母に

「アレがあって助かったわ~」

と言われたものがあります。

そのアレとは、

 

法定相続情報一覧図

 

のこと。

 

漢字ばかりでややこしいですね~。

要は、その人の

『法律に定められた相続人に関する情報が載っている一覧図』

ってことです。(←そのままやーん)

 

人が亡くなると、相続が始まり、亡くなられた方(被相続人)の財産を引き継ぐために、基本的には財産を受け継ぐ方(相続人)が手続きをすることになり、その時に、戸籍謄本等が必要になります。

しかも、遺言がない場合、

・亡くなられた方の「出生から亡くなられるまでの連続した戸籍謄本及び除籍謄本」

・相続人全員の戸籍謄抄本

と、何種類も取得しなければなりません。

 

今までは、これら原本の束を、相続人が各金融機関や不動産登記の際に提出し、解約や名義変更の手続きをしていました。

たいていの方は、いくつも銀行口座があったり、不動産や車をお持ちだったりで、何か所も手続きが必要になってきます。

もし、戸籍を1通ずつしか取らなかった場合は、提出した原本が返却されるまで、次の機関での手続きができずに、時間がかかります。

逆に、何か所も同時に手続きしたい場合は、その機関の数の各戸籍等が必要になるので、戸籍取得の費用が意外とかかるのです。
(1セット約数千円×手続き期間の数)

また、各機関で、その戸籍等が本当に揃っているのか、間違いがないかの確認が必要になり、手続きにも時間がかかっていました。

 

そこで、そんな問題を解決する制度、

法定相続情報証明制度


というものが、平成29年5月29日から、始まりました。

この制度は、法務局に上記の戸除籍謄本等の必要書類1通ずつを提出し、併せて相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を出せば,登記官がその一覧図に

「これは、令和○年○月○日に申出のあった当局保管に係る法定相続情報一覧の写しである。」

という呪文のような言葉を入れ、法務局として

「亡くなられた方の法定相続人さんはこの方達ですよ」

と、相続関係の証明書を出してくれるのです。

 

しかも、なんと

 

タダ!!

 

無料なんです。

さらに、相続手続に必要であれば、

何通でも

交付してくれます。

 

叔母の場合、戸籍類を一通ずつ取得した段階で、私に相続の相談があり、

「なんかいっぱい戸籍いるみたいで、また取ろうと思ってるところ」

と言うので、

「ちょっと待ったー!」

と、この制度を利用したのでした。

 

この法定相続情報一覧図1枚があれば、各銀行などで戸籍の束を出さなくて済みます。

戸籍謄本に載っている、相続に必要ではない色んな個人情報を、他人に見られることもありません。

さらに、係の方も、相続人が合っているのか、戸籍が全部揃っているかの確認をしなくて良くなり、手続きもスピーディーに進みます。
(実際、叔母が法定相続情報一覧図を出すと、銀行の人に喜ばれたらしいです。)

 

ただし、この制度を利用するにあたって、いくつか注意点があります。

○ 法定相続情報は、被相続人が亡くなられた時点の相続関係を証明するものです。
もし、その後に相続人のどなたかが相続放棄をされた場合は、別途、その方の相続放棄申述受理証明書を添えて、相続手続を行うことになります。

○ 被相続人や相続人が日本国籍を有しないなど、戸除籍謄抄本を提出することができない場合は、この制度を利用することができません。

○ 一枚の法定相続情報一覧図に、何人もの相続をまとめて記載することはできません。
それぞれの被相続人ごとに一枚の一覧図を作成し、これらを組み合わせて対応することになります。

○ 法定相続情報一覧図は5年間(申出日の翌年から起算)保存されますので、この間であれば再交付を受けることができます。
ただし、当初の申し出において、申出書に「申出人」として氏名を記載した方のみが、当初の申し出をした登記所で申請できます。

その他、詳細や注意点は、以下の法務局のサイトに載っていますので、ぜひ見てみて下さい。

「法定相続情報証明制度」について

主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例

 

相続手続は、不動産や車の名義変更、各銀行や証券会社、保険会社での手続きなど、それぞれ規則やルールが違い、必要書類が変わってきます。

しかし、基本的にはどこでも戸籍類は必要になってきます。

また、思っていた以上に手続きをする機関が多く、
「法定相続情報一覧図があって良かった」
と感じることよくありますので、多目にもらっておくと良いと思います。

ぜひこの制度をうまく活用して、手続きを簡単にスピーディーに進めましょう。