2020/07/24
まさかオヤジに相続税が・・
皆さんこんにちは。相続診断士の盛です。
今回お伝えする内容は・・
生命保険に加入されている方からの相談です。
父が他界し次男であるご自身が
相続手続きをすることに。
兄が葬儀の段取りから喪主までを務め
相続手続きと実家の整理は次男が担当する
ことになり相談に来られました。
相続人は兄姉含め3人。
次男は大阪在住。
長男、長女は関東在住。
母はすでに他界
誰も父と同居していなかったため
財産がどこにあり
何に相続税がかかるのか・・
全く見当がつかないとの事。
ご相談者にはまず3つのポイント
を確認していただきました。
①遺言書はないか
②取引のある金融機関はどこか
③不動産は本当に自宅だけか
相続手続き3つのポイント
①遺言書はないか
遺産分割協議がやっと終わり
実家の遺品整理をしていたら
遺言書が出てきた
という事もあります。
そうなれば遺産分割のやり直しに。
相続後の早い段階で金庫や書斎、仏壇等に
遺言書が保管されていないかを確認します。
公正証書遺言を作成している可能性があれば
最寄りの公証役場で照会することも出来ます。
また手帳や日記から遺言書の手掛かりや
財産に関する記述がみつかるケースも。
実際、相続税の税務調査の際に手帳に残された
メモが証拠となり追徴課税を逃れたケースも。
②取引のある金融機関はどこか
父のキャッシュカードがあれば
ある程度金融機関の推測がつきますが
不明の場合は、比較的口座を持つ方が多い
ゆうちょやJAに口座の有無を問い合わせます。
むかし転勤していた地方の銀行で口座が
見つかったケースも
(相続人は全く知らず、税務署が発見しました)
また実家の郵便物の中に
金融機関や証券会社の物はないか
金融機関担当者の名刺はないか。
金融機関のカレンダー、キャンペーン商品
がないかもチェックし金融機関を推測します。
③不動産は本当に自宅だけか
毎年5月頃に郵送される
「固定資産税納税通知書」には
固定資産税が課税される不動産しか記載されません。
固定資産税が課税されない
山林や畑、公衆用道路などが
先代名義のまま残っているケースもあります。
不動産の確認もれを防ぐためにも
故郷に不動産がないかを確認しておきましょう。
そのためには不動産の「名寄帳」を取得します。
不動産の相続税評価額はいくらか
不動産の評価額については国税庁ホームページ
から路線価を調べ相続税評価額を概算把握します。
仮に自宅が200㎡で路線価が15万円だとすると
それだけで3000万円の相続税評価額です。
家屋は「固定資産税課税明細書」記載の評価額が
そのまま相続税評価額となります。
建物が新しければ相続税評価額で1000万円
近いということも十分ありえます。
ちなみにマンションなど敷地権を伴う評価は
一般の方では正確な評価は困難ですので専門家
に依頼しましょう。
相続財産を概算評価すると土地建物3000万円
預金有価証券3000万円の合計6000万円。
相続人3人の基礎控除額4800万円を上回り
相続税申告が必要という結果になりました。
相続税がかからなければ特に期限に縛られる事は
ありませんが、相続税申告が必要となれば話は
変わってきます。
相続税には申告期限が
相続税の申告期限は
亡くなった日の翌日から10か月です。
この期限内に申告に必要な書類を揃え
正確な評価を行い申告書を作成します。
遺産分割協議書も必要です
相続人のあいだで話し合いをした内容をまとめ
遺産分割協議書を作成します。
分割協議書には自署による署名と実印が必要です。
分割協議書のコピーを相続税申告書に添付します。
協議書は預金の名義変更や不動産の名義変更など
あらゆる相続手続きで必要です。
やはり頼りになるのは相続税の専門家です
一番節税効果の高い<不動産の相続税評価>
を下げるには専門家に依頼するのが得策です。
相続税申告の報酬を払っても十分に元が取れる
ケースが多いです。
いざ、ご自身の親に相続が発生すれば・・
財産の棚卸、遺産分割協議、相続税申告
金融機関の相続手続、不動産の名義変更
実家の遺品整理、実家の売却
売却後の不動産譲渡の確定申告など・・
相続に関する手続きは多岐にわたります。
「まさかあの質素なオヤジに相続税かぁ・・」
とため息まじりにつぶやいておられましたが
2015年の相続税制改正後は
相続税は資産家の<資産税>
ではなく一般市民の<大衆税>
となりました。
自宅と金融資産のみで相続税申告対象になり得るのです。
もし一人っ子が父の財産を相続すれば
遺産額3600万円以上で相続税の申告が必要です。
もし生前に相談を受けていれば・・
<定期預金を生命保険に組み変える>事で節税が出来る
事をお伝えできたかも知れません。
<お孫さんなど相続人以外への贈与>で節税が出来る
事をお伝えできたかもしれません。
「知らないこと」で損をされる方
を一人でも多く減らすために
これからも相続相談のお手伝いができればと思います。
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